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2013.11.07

東京の大地を探る

南大沢の首都大学東京に91年館というのがあるのを、南大沢にお住まいの方でどのくらいが知っているのだろうか。

南大沢駅から首都大に歩いて、正門の前で左に曲がり100mほどのキャンパスの西のはずれにある。

実は僕も、入ったのは以前八王子市のある説明会があった時に一度だけである。
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学園祭の会場で、企画展「東京の大地を探る」というのを、11月10日(日)まで毎日観覧無料でやっていると言うので行ってみた。ちなみに時間は11時から17時までである。
簡単な展示ではあるが、興味深い事がいくつもあった。


まず最初に、「都市と郊外の土台を探る」と題して、「1300万人が住む東京は、地下に3つのプレート(北米、フィリピン海、太平洋)があり、地学的に見て非常に特殊な場所で、大地震が非常に発生しやすく、過去に大震災を何度も経験している。また、西の富士山の噴火の影響で、火山灰の被害も何度も受けているという事で、常に大災害を意識しながら生活する必要がある。」とあった。
最近ラジオで、「世界中で発生する地震の10%は日本付近である」と言う事聞いて、うーんと唸ってしまった。
高層ビル、地下街、高速交通、埋め立て、造成の中で暮らしている現代は、同じ地震が発生しても、過去の時代とは全く違う被害となってしまう可能性がある。
過去の災害も数百年も経つと何世代も前のこととなり、現在の人たちには自分のこととして受け止められなくなってしまっている。
東日本大震災以降人々の考えも変わったと思うが、まだまだ自分を含め実感を伴っていない様な気がする。

この展示では、自然を知るには地形地質を理解することが必要とあり、立川断層の事も書かれていた。


また、以前HP「南大沢の自然」にも載せたのだが、大変興味がある「古代相模川は南大沢付近を流れていた」というパネルもあった。
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地層を調べると、府中市浅間山のあたりまで相模川の痕跡があり、ここまで入り込んでいた海に流れていたと言うのである。
これは大変興味深い。


この展示は日曜日までですが、常設展として「動物系統分類学」身近な昆虫アリの世界など、7つの展示がありました。
ちなみに、この91年館は、学芸員養成課程展示室として火曜日から金曜日まで見学できるようです。
近くの方はちょっと寄ってみてはいかがですか。


参考に、以前のHPの記事の抜粋を載せます。
興味のある方はご覧ください。

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相模川は東京へ            (2002/04/29)


相模川は、はるか昔には南大沢を通って東京へ流れていたというのを知ってましたか。
南大沢に引っ越してきて初めて知りました。

相模川は現在、桂川や道志川、中津川が集まって、時計回りに丹沢山塊をぐるっと回り込んで相模湾に流れています。
現在では相模川が東京へなんて考えられないのですが、それは50万年前の事なのです。

内裏谷戸公園にそのことが書かれています。
宮上小学校のニュータウン通り側の入り口のすぐ上に証拠の地層があります。
説明版がいたずら書きをされており大変読みにくかったのですが、作りかえられてきれいになりました。
その脇に階段があり、下から見ると上の関東ローム層と下の御殿峠レキ層が中段で別れています。
(実際には見ただけではよくわからないのですが。)
この御殿峠レキ層に含まれる岩石は、丹沢山地にある岩石に似ており、多摩川上流の秩父山地の岩石とは異なるそうです。
このころ、相模川は津久井湖付近から、北東に向かい南大沢付近を流れていました。

この下にはさらに古い時代の平山層というのがあり、貝の化石が含まれています。
このあたりまで海が入り込んで河口だったそうです。
上由木の陸上競技場の下、大栗川との間に神社があります。
12年ほど前に、ここの崖に貝の化石を見に行ったことがあります。
いろいろな貝がありました。しかし、これは印象化石と言って、貝は溶けてしまい、貝の形や特徴が泥や砂に置き換えられたものです。
今はこの崖はなくなってしまったようです。
当時、由木図書館で借りた、「日曜の地学4 東京の自然をたずねて」に、これらの詳しい解説が載っているのを見て、貝の化石を見に行きました。まだ、南大沢駅の北側には何もなかったころです。もちろん駅もありませんでした。
この本は、今では由木図書館にはなく、南大沢図書館に新訂版がおいてあります。

たまには、こんなはるか昔のことを考えるのも楽しいですね。

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コメント

こんにちは。
91年館は知っていましたが、中に入れるとは知りませんでした。
相模川のことは、以前、内裏谷戸公園の説明書きを読んだことがありました。なかなか興味深い話ですよね。

災害への意識は、喉元過ぎればなんとやらで、すぐに薄れてしまうのでしょうね。だからこそ、日本人はこんな国土に住んでいられるとも言えるかもしれません。
でも、やはり今の大都会東京を見ていると、これはとんでもない災害になる、とは誰の目にも明らか。
オリンピック開催に冷ややかな視線もかなり多いはずですね。

多摩NTの住人さん、こんにちは。

簡単ですが、ホシザクラの標本や展示もありましたよ。
一度入ってみても良いのではと思います。
図書館も都民なら使えるのですが、どのくらい利用されているのだろうか。

新開さん、こんにちは。

地方へ機能分散した方が良いと思うのですが、ますます首都圏に集中してきている感じです。
オリンピックで更に加速しそうです。
やるだけのことをしても想定外は起きるのですが、備えが足りているとは到底思えませんね。

今日は、高嶋清明写真展「昆虫空間」で、飛翔写真を見て刺激を受けてきました。

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